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【日本人の配偶者等】更新②:離婚・再婚した場合の重要ポイント

  • 執筆者の写真: しずか 若林
    しずか 若林
  • 1 日前
  • 読了時間: 4分

皆さんこんにちは。行政書士の若林しずかです。

前回は、同じ配偶者との婚姻関係が続いている場合の更新手続きについて解説しました。今回は、「日本人と一度離婚または死別し、別の日本人と再婚して在留期間の更新を迎える」という、より複雑なケースについて、押さえるべきポイントを解説します。


はじめに:離婚後、在留資格はどうなる?


まず大前提として、日本人配偶者と離婚・死別しても、ただちに「日本人の配偶者等」の在留資格が失われるわけではありません。在留期間の満了日までは、その資格のまま日本に在留すること自体は一応可能です。

しかし、法律には注意すべき規定があります。配偶者としての活動(夫婦としての共同生活)を、正当な理由なく継続して6ヶ月以上行っていない場合、在留資格が取り消される可能性があるのです。

つまり、離婚・死別後には一定の猶予期間が与えられている、と考えることができます。その期間内に進む道としては、以下のようなものが考えられます。

  1. 別の日本人と再婚し、日本人配偶者等の在留資格を更新する

  2. 「定住者」や就労系など、別の在留資格への変更を検討する

  3. 日本から出国する


今回の記事では、上記1の「在留期限内に別の日本人と再婚し、在留期間の更新許可申請をする」というケースに絞って解説します。

この手続きは、名目上は「更新」ですが、その実態は「新規の在留資格取得申請」です。なぜなら、以前の在留資格の根拠であった「前の配偶者との婚姻関係」は完全になくなっており、「新しい配偶者との婚姻関係」をゼロから審査官に認めてもらう必要があるからです。そのため、審査は通常の更新よりもはるかに厳しくなります。


ポイント1:前婚の解消経緯を丁寧に説明する


審査官がまず確認するのは、「なぜ、前の結婚生活が終わったのか」という点です。この経緯が不透明だと、新しい結婚の信憑性まで疑われかねません。正直かつ丁寧に説明することが不可欠です。

  • 離婚の場合

    離婚に至った理由や、お二人で話し合った経緯などを時系列で具体的に説明する「理由書」を作成します。感情的になるのではなく、事実を淡々と、しかし誠実に記述することが重要です。

  • 死別の場合

    この場合は偽装を疑われることは稀ですが、事実関係を証明する公的な書類(例:死亡診断書のコピー、配偶者の死亡の事実が記載された戸籍謄本など)を添付する必要があります。


ポイント2:新しい婚姻の信憑性を徹底的に立証する


次に、そして最も重要なのが、「新しい配偶者との結婚が真実のものであること」を、客観的な証拠をもって証明することです。一度目の結婚で在留資格を得ている経緯があるため、初回の申請時よりも高いレベルの立証が求められると考えてください。

  • 出会いから結婚までの経緯説明:お二人がいつ、どこで、どのように出会い、交際を経て結婚に至ったのかを、詳細に説明した文書(交際経緯書)を作成します。

  • 客観的な証拠:説明を裏付けるための証拠を、可能な限り多く提出します。

    • 写真:二人で写っているスナップ写真(日付のわかるものが望ましい)、両家の家族と一緒に写っている写真など。

    • コミュニケーションの記録:日常的なメッセージのやり取り(LINE、Messengerなど)のスクリーンショット。

    • 家族の理解を示す資料:両親や兄弟からの手紙など。

「これでもか」というほど丁寧に準備することが、審査官の信頼を得るための鍵となります。


【要注意】偽装結婚を強く疑われるケース


特に、以下のようなケースでは、入管から偽装結婚の疑いを強く持たれる傾向があります。立証はさらに慎重に行わなければなりません。

  • 前婚の婚姻期間が短い

  • 離婚届の提出から、今回の婚姻届の提出までの期間が極端に短い

  • 過去にも日本人との離婚・再婚を繰り返している

これらの点に当てはまる場合は、なぜそうなったのか、その合理的な理由を説明し、新しい結婚が真実のものであることを、より強力な証拠をもって証明する必要があります。


まとめ


「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ方が、配偶者を変更して更新申請を行うのは、通常の更新とは別次元の手続きと言えます。

安易な気持ちで書類を提出すれば、不許可となる可能性が非常に高いでしょう。この手続きは、新しい結婚の信憑性を一から審査される場であり、過去の経緯も含めて総合的に判断されます。

ご自身の状況に少しでも当てはまる点がある方は、必ず申請前に専門家へご相談の上、万全の準備で臨むことを強くお勧めします。

【文責:行政書士わかばやし事務所 代表 若林 しずか】

 
 

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