【2025年最新版】社長が知るべき、外国人雇用の全ステップ徹底ガイド
- しずか 若林
- 6 日前
- 読了時間: 5分

「深刻な人手不足を解消したい」 「新しい事業に、海外の専門知識を持つ人材の力が不可欠だ」
こんにちは!行政書士わかばやし事務所です。 会社の成長戦略として、グローバルな人材獲得は今や当たり前の選択肢となりました。しかし、優秀な外国人材を見つけて採用を決意したものの、何から手をつけていいか分からない」「手続きが複雑そうで不安だ」と感じる経営者様は少なくありません。
外国人雇用は、単に求人を出すだけでは完結しません。その前後には、日本の法律、特に出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づいた、専門的で、遵守すべき手続きがいくつも存在します。
今回は、外国人採用を決意した社長様が、その全行程を安心して進められるよう、計画段階から、採用後の管理まで、すべてのステップを網羅した「完全ロードマップ」として、徹底的に解説します。
フェーズ1:計画 〜 内定出し【採用活動と法務の準備】
この段階では、採用活動と並行して、法務上の準備を進める視点が重要です。
ステップ1:採用したい人材と、任せる仕事内容の明確化
まず、「どんなスキルを持った人に、どんな仕事をしてもらいたいか」を具体的に定義します。この「仕事内容」が、後の在留資格申請の種類を決定する、最も重要な要素となります。
ステップ2:求人と面接
国内外の求人サイトや、人材紹介会社などを通じて求人活動を行います。面接では、相手の能力や人柄を見極めると同時に、就職差別に繋がるような不適切な質問をしないよう、細心の注意が必要です。
ステップ3:在留資格の確認【最重要】
採用したい候補者が決まったら、必ず以下の点を確認します。
今、どこに住んでいるか?(海外か、日本国内か)
日本にいる場合、現在の在留資格の種類は何か?
在留カードの有効期限は、いつまでか?
この3点によって、この後の手続きの種類、期間、難易度が全く変わってきます。
ステップ4:内定・雇用契約書の締結
労働条件を双方で合意し、雇用契約書を締結します。この契約書は、在留資格申請の際に、入管が会社の雇用意思と、本人の労働条件を確認するための最重要書類となります。
フェーズ2:在留資格の申請【専門家が最も力を発揮する段階】
ここが、外国人雇用における最大の行政手続きです。ケースは大きく2つに分かれます。
ケースA:海外在住の外国人を呼び寄せる場合
申請の種類: 在留資格認定証明書交付申請(COE申請)
手続きの概要:
日本の会社が、入管に申請し、「日本で活動する資格がある」というお墨付き(COE)をもらう。
そのCOEを海外の本人へ送り、本人が現地の日本大使館でビザの発給を受ける。
来日する。
期間: 入管での審査期間だけでも、1ヶ月~8ヶ月程度と非常に幅があります。そのため、内定から日本で就労を開始できるまで、全体で半年~1年近くかかることも想定しておく必要があります。
ケースB:日本在住の外国人(留学生など)を採用する場合
申請の種類: 在留資格変更許可申請
手続きの概要:
本人が今持っている在留資格(例:「留学」)から、働くための就労可能な在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」)へ変更するための許可申請を、日本の入管に行う。
許可されれば、日本国内で新しい在留カードを受け取る。
期間: 入管での審査期間は、2週間~3ヶ月程度が目安です。海外とのやり取りがない分、比較的スピーディーに進みます。
フェーズ3:入社 〜 採用後の管理【安定した雇用のために】
無事に在留資格が許可されても、会社としての義務は終わりではありません。
ステップ5:入社後の届出義務【重要】
外国人従業員が入社した場合、会社は2つの行政機関へ、それぞれ届出を行う義務があります。
ハローワークへの届出:「外国人雇用状況の届出」
雇用保険の「被保険者資格取得届」を提出する際に、在留資格や在留カード番号などを追記して届け出ることで完了します。雇用保険に加入しないアルバイト等の場合でも、別途届出が必要です。これを怠ると、罰金の対象となります。
入管への届出:「所属機関による届出」
従業員の在留資格が「教授」や「技術・人文知識・国際業務」などの場合、会社は努力義務として、入管に「中長期在留者の受入れを開始した」旨を届け出ることが推奨されています。
特に「特定技能」の外国人を採用した場合は、この届出が義務となり、怠ると罰則の対象となります。
ステップ6:社会保険・労働保険の加入
日本人従業員と同様に、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険への加入手続きは、国籍を問わず会社の義務です。
ステップ7:在留期間の継続的な管理
従業員の在留カードに記載された「在留期間」を会社として把握し、期限が切れる前に**「在留期間の更新」をサポートしていくことは、安定した雇用と、従業員との信頼関係のために不可欠です。
まとめ
外国人雇用は、採用活動から始まり、複雑な法的手続きを経て、採用後の労務管理まで続く、長期的なプロジェクトです。 しかし、各ステップでやるべき事を一つひとつ正確にクリアしていけば、決して乗り越えられないものではありません。
これらの複雑な手続きを専門家に任せることで、社長様は、不許可のリスクや、コンプライアンス違反の不安から解放され、最も重要な「新しい仲間を、どう事業の力に変えていくか」という、本来の経営業務に集中することができます。
当事務所は、オンラインミーティング等を活用し、全国の企業様の外国人雇用を、最初の計画段階から、採用後のサポートまで、責任をもって伴走いたします。まずはお気軽にご相談ください。
【文責:行政書士わかばやし事務所 代表 若林しずか】
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